Monday, June 19, 2017 10:37 AM

シリア「陣取り」本格化 米とロシア・イラン衝突の恐れ

 内戦下のシリア北部で18日、米軍がアサド政権軍機を撃墜した。同じ日に隣国イランの革命防衛隊は、シリア東部にミサイルを撃ち込んだ。いずれもシリア内戦下で初めての動きだ。過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討作戦が進むシリアで、各勢力がIS追放後をにらんで主導権争いを強めていることが背景にあり、支配領域を確保する“陣取り合戦”が本格化してきた。

 米軍とロシア軍、イラン側部隊が直接衝突するという最悪の展開も排除できない情勢だ。

 焦点の一つはISの本拠地・北部ラッカ。少数民族クルド人主体の「シリア民主軍」(SDF)が米軍と協力し進攻中で、これと競うように、ロシアとイランの支援を受けるアサド政権側の部隊「第5軍団」が西からラッカ近郊に迫っている。政権軍機が撃墜されたタブカ周辺では、SDFとの小競り合いが数日前から続いていたもようだ。(共同)