Monday, June 19, 2017 10:38 AM

英EU、離脱交渉を開始 巨額分担金清算など焦点

 欧州連合(EU)離脱を決めた英国と、残る27加盟国を代表するEU欧州委員会は19日、離脱条件などを巡る初の交渉をブリュッセルで行った。EU側が求める600億ユーロ(約7兆4000億円)とも言われる未払い分担金の清算を英側がのむか否かなどが序盤の焦点だ。英国のメイ首相は基盤固めを狙った今月の総選挙で逆に与党保守党の過半数割れを招き、政権の弱体化が交渉の行方に影を落としている。

 欧州の将来に大きく影響する交渉は延長しなければ、英国の離脱通知から2年後の2019年3月29日が期限。EUは18年10月までに交渉をほぼ終え、欧州議会などで離脱条件を定めた協定の批准手続きに入りたい意向だ。ただ英総選挙などのため、交渉に入らないまま既に約3カ月が経過しており、想定通り進むかどうかは見通せない。

 初回は交渉の優先事項や進め方について協議。EUの交渉チームを率いるバルニエ首席交渉官(元フランス外相)は交渉開始に当たり「われわれは英国離脱が引き起こす市民らの不安定な状況(の解消)にまず取り組まなければならない」と訴えた。英側を統括するデービス離脱担当相は「前向きで建設的に」協議し「EUとの強くて特別な関係の構築」を目指すと述べた。(共同)