Thursday, June 22, 2017 5:49 PM

米金融大手、全34行が資本基準クリア FRB、ストレステスト結果公表

 米連邦準備制度理事会(FRB)は22日、保有資産が500億ドル以上の銀行持ち株会社を対象にした資本に関する健全性審査(ストレステスト)の結果を公表した。自己資本が基準を下回るケースはなかった。FRBは「金融大手は資本の増強を進めており、深刻な景気後退局面での家計・企業に対する融資能力は維持されている」と評価した。今年の対象は前年より1行多い34行。

 景気悪化を想定したシナリオの下で、自己資本がどこまで健全性を保てるかを検証。最も厳しいシナリオでは、世界的な景気後退が起きて、2017年1〜3月期から1年にわたり米国の経済成長率が低下し、失業率が10%に上昇すると想定。株価は半値に値下がりし、不動産価格も暴落し、投資資金は安全資産へと逃避して米短期国債の利回りが大幅に低下すると設定した。

 このシナリオでは、全34行の融資の焦げ付き額は計3830億ドルに上った。それでも、株式などからなる中核的自己資本の比率が最低基準の4.5%を下回る銀行はなかった。自己資本比率は合計で16年10〜12月期時点の12.5%から9.2%まで低下する。(共同)