Thursday, June 22, 2017 5:51 PM

上院代替案に反対相次ぐ オバマケア、通過は不透明

 米上院共和党指導部は22日、トランプ政権が重要課題に掲げる医療保険制度改革(オバマケア)見直しのための代替法案の素案を公表した。月内の採決を目指しているが、野党民主党だけでなく、与党共和党でも少なくとも4人が反対を表明。上院通過に必要な票を獲得できるかは不透明だ。

 素案は5月に下院を通過した代替法案の骨格を踏襲しつつ、共和党内の批判に考慮して変更が加えられた。低所得者向けの医療保険加入補助が見直される一方、オバマケアの財源となる税の大半が廃止され、人工妊娠中絶に関連する補助金も1年間停止に。最終的にオバマケアが定めた保障内容は大きく削減される。オバマ前大統領は22日の声明で「これは医療保険法案ではない。富裕層への富の移行だ」と批判した。

 下院共和党が作成した法案は、オバマケアが定めた保険加入義務の撤廃などを決めたが、共和党内では保障の最小限化を求める保守強硬派と、無保険者の増加を懸念する穏健派の双方から異論が噴出し、僅差で可決となった。上院でも調整の難航は必至だ。(共同)