Friday, June 23, 2017 10:52 AM

「萩生田氏関与の可能性」 文書は事実と前文科次官

 政府の国家戦略特区制度を活用した学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、文部科学省の前川喜平前事務次官は23日、東京都内の日本記者クラブで記者会見した。安倍晋三首相の意向を伝える萩生田光一官房副長官の発言とされた文書の内容は「ほぼ事実だと思う」と主張。あくまで想像とした上で、首相側近の萩生田氏の関与について「示唆か提案か、あった可能性は高いと思う」との見方を示し、首相に「先頭に立って説明責任を果たしてほしい」と求めた。

 萩生田氏は首相官邸で記者団に「首相からいかなる指示を受けたこともなく、誰かに指示を伝えたこともない」と述べ、自身の関与を否定した。菅義偉官房長官も20日の会見で内容を否定する中、文科省の元事務方トップの発言は波紋を広げそうだ。ただ、前川氏は主張の根拠となる物証や新文書は示さなかった。

 前川氏は、この文書を在職中に見たことはないと述べたが、作成したとされる文科省職員について「極めて優秀で、あえて虚偽の内容を盛り込むことはあり得ない」と指摘。「発言者を精査する必要はあるが、中身はほぼ間違いない」と結論付けた。(共同)