Tuesday, June 27, 2017 10:28 AM

野党「新たな疑惑隠し」 加計は突破口と政権

 安倍晋三首相の獣医学部新設「全国展開」発言に、野党が批判の矛先を向けている。新設を1校に限定したことから学校法人「加計学園」ありきだとされた批判をかわそうと、首相が「唐突なルール変更」(民進党幹部)を打ち出したとみるためだ。岩盤規制打破の突破口だと強調する政権に対し、「新たな疑惑隠し」として追及を続ける。

 「ルールを守らない首相は独裁者だ」。民進党の加計学園問題に関する疑惑調査チームの27日の会合で、桜井充共同座長は加計学園による獣医学部がスタートする前に、他の新設を次々に容認しようとする首相の発言を非難した。国家戦略特区はまず成功を確認した後、対象を広げていくのが制度の在り方だとの認識に基づく。

 民進など野党側が特に問題視するのは、政権自身が「例外的」に認める趣旨で獣医学部新設の対象を絞ったことと、「全面展開」とする今回の首相発言が相いれない点。首相が議長を務める特区諮問会議は昨年11月に「広域的に存在しない地域に限り」新設を認める方針を示し、事実上、加計学園だけが条件を満たした経緯がある。(共同)