Tuesday, June 27, 2017 10:29 AM

米政権の輸入制限けん制 IMF報告「経済弱める」

 国際通貨基金(IMF)は27日、米国経済に関する年次審査報告を発表した。トランプ政権が国内産業保護を目的に検討している鉄鋼などの輸入制限について「経済を弱める措置は回避すべきだ」とけん制した。経済政策が不透明として成長率見通しを下方修正し、2017、18年とも2.1%とした。ドル相場は高過ぎるとの見方も示した。

 米商務省は鉄鋼やアルミニウムの大量輸入が国家安全保障上の脅威になっているとみて、近くトランプ大統領に是正策を提言する方針だ。ロス商務長官は輸入制限や高関税が選択肢になるとしている。発動されれば、米国に輸出している日本や中国など幅広い国が対象になる可能性があり、各国が懸念を強めている。

 輸入制限に関し、IMFは「慎重に判断すべきだ」とも指摘。その上で、「開かれた国際貿易が米国の経済成長と雇用創出を長らく支えてきた」として、保護主義的な通商政策を実施しないように求めた。(共同)