Thursday, June 29, 2017 11:21 AM

国の税収55.5兆円前後 16年度、7年ぶり減少

 2016年度の国の一般会計税収が55兆5000億円前後にとどまり、15年度の56兆2854億円を下回ったことが28日分かった。前年度割れはリーマン・ショックの影響で税収が急減した09年度以来7年ぶり。昨秋までの円高で企業収益が伸び悩み、法人税収が低迷したことが響いた。成長頼みで税収を伸ばし、財政出動につなげていく安倍政権の政策手法の行き詰まりが鮮明になった。

 政府は16年度税収に関し、当初予算の段階では15年度を上回り57兆6040億円に達すると見込んだが、昨年末の補正予算で1兆7440億円下方修正し、55兆8600億円に減少すると見積もり直した。来月取りまとめる決算では補正後の水準をさらに4000億円程度割り込み、当初の想定からは2兆円余りも落ち込む結果となる。

 16年度は主要な税目である法人税(15年度10兆8274億円)、所得税(同17兆8071億円)、消費税(同17兆4262億円)の税収がいずれも前年度を下回った。所得税は株式の配当や譲渡益から徴収する分が低迷し、消費税は原油安などで輸入額が縮小したことが減収要因となった。(共同)