Wednesday, July 05, 2017 5:41 PM
開始時期巡り分かれる見解 議長任期切れ前に金融正常化
米連邦準備制度理事会(FRB)が5日公表した6月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録では、FRBが保有する米国債などの資産規模縮小について「2、3カ月内」に開始を表明するのが望ましいとの積極論がある一方、「年内の遅い時期」まで待つべきとの慎重論もあり、参加者の間で見解の相違があることが浮き彫りになった。
FRBはリーマン・ショック後に米国債や住宅ローン担保証券(MBS)などを大量に買い上げる形で市中に資金を供給し、景気を下支えする役割を果たしてきた。その結果、資産は4兆5千億ドル規模に上っている。事実上のゼロ金利を解除し、段階的に利上げをする中でも、米国債などへの再投資を行い、資産規模を維持してきた。イエレン議長は6月の会合で資産縮小の指針を提案し、了承された。議長は来年2月に任期切れを迎えるだけに、その前に金融正常化の道筋をつけたいとの思いがうかがえる。
ただ、実際に国債などへの再投資をやめ、資産規模の縮小に動いた場合、米国債市場にかなり大きい影響が出ることが予想される。市場に出回る国債の量が増え、金利の上昇もあり得る。米国の金利が動けば、外国為替相場も左右する。議事録によれば、一部の参加者からは「短期間に再投資政策を転換すれば、漸進的な金融正常化のアプローチを転換したと(市場から)誤訳される恐れがある」との懸念も示された。(共同)