Wednesday, July 12, 2017 1:38 PM

FRB、早期利上げ慎重 物価動向「数カ月注視」

 米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は12日、下院金融委員会の公聴会に出席する。イエレン氏は事前に書面で提出した証言で、金融政策の鍵を握る物価上昇率の低下に懸念を表明。「今後数カ月は物価動向を注視する」と指摘し、早期の追加利上げに慎重な姿勢を示した。

 FRBが金融政策を決める7、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げが見送られるとの観測が市場で広がりそうだ。一方、景気を下支えするための量的金融緩和策で膨らんだFRBの保有資産の縮小は「年内に開始する」と改めて表明。次回の利上げより先に資産縮小に着手する可能性がある。

 イエレン氏は、物価の目安となる個人消費支出(PCE)物価指数が5月に前年同月比で1.4%の上昇にとどまり、FRBが目標とする2%を引き続き下回ったことに言及。物価の低迷には一時的要因もあるとする一方、2%の物価目標の達成が見通せるようになるかどうか「注意深く監視する」と表明した。(共同)