Monday, July 17, 2017 11:32 AM

ロシア「対日制裁」理由に拒否 根室市長の北方領土訪問

 ロシアがウクライナ問題を巡る対日制裁発動を理由に、長谷川俊輔・北海道根室市長の北方領土視察を拒否していることが15日、分かった。日本からの北方領土調査団の受け入れを控えていた6月末、日本側に「制裁対象である長谷川市長の参加は許可しない」と伝えていた。複数の日露外交筋が明らかにした。日本政府は表向き、市長の不参加について「詳しい内容は説明できない」としている。

 2014年に始まった制裁は、特定の日本人のロシア入国を制限する内容。日本政府高官は15日までに「長谷川市長は制裁対象に含まれる」と明言した。根室市は北方領土に近く、安倍晋三首相が目指す現地での日露共同経済活動が実現した際には、同市から複数の団体や企業が参加する見通し。市長への制裁が続けば、日露関係に影響を及ぼす可能性がある。

 制裁には、ウクライナ南部クリミアの編入を理由に対ロシア制裁に踏み切った日本への報復の意味合いがある。対象者の氏名は公表されていない。市長を対象としたのは、領土返還運動に積極的に取り組む姿勢に不快感を抱いたためとみられる。(共同)