Tuesday, July 18, 2017 11:24 AM

21年前に「異常」確認 引き継ぎ不十分ずさん体質

 日本原子力研究開発機構の「大洗研究開発センター」(茨城県大洗町)の作業員被ばく事故で、放射性物質の入った金属容器は1996年にも点検が行われ「異常」が確認されていたことが18日、機構への取材で分かった。点検記録が作成されたが十分に引き継がれず、今回の被ばく事故につながった形だ。機構のずさんな体質が改めて浮き彫りになった。

 機構はこれまで、事故があった容器について、91年に放射性物質が入れられて以降一度も開封されていなかったと説明していた。しかしその後の調査で96年に点検を受けていたことが判明。この際に放射性物質を入れたポリエチレン容器の底部の破損やビニールバッグの膨張などといった異常を把握した。

 放射性物質はポリ容器に入れ、それをビニールバッグで二重に覆い、ステンレス製の金属容器内で貯蔵。事故があった容器を含め計23個でポリ容器やビニールバッグに破損や膨張、変色などが確認され、交換するなどの対応が取られたという。(共同)