Thursday, July 20, 2017 11:41 AM

国連「パリ協定履行」採択 米は異議、孤立鮮明

 ニューヨークの国連本部で開かれていた「持続可能な開発目標(SDGs)」達成を目指す閣僚級会合は19日、温暖化対策の新枠組み「パリ協定」の完全履行を柱にした宣言を採択して閉幕した。宣言全体では全会一致の形を取ったが、協定から離脱表明している米国の政府代表は採択後の演説で、パリ協定に触れた箇所に異議を唱えた。国際的な孤立が鮮明となった。

 ドイツで今月開かれた20カ国・地域(G20)首脳会合の首脳宣言でも、パリ協定は後戻りできないとする他の19カ国・地域と、トランプ政権との足並みの乱れが表面化していた。国連全加盟国が参加する場でも、国際社会の声を無視する米政権に警戒感が強まっている。

 米政府代表は閣僚会合の演説で「米国は宣言のうち、パリ協定に関する合意部分とは関わりを持たない」と言明した。温室効果ガスの減少に取り組むとしながらも「経済成長を支持し、エネルギー安全保障を強化する」と強調した。宣言の採択自体に反対しなかったのは、米国を除く大半の国が賛同しているため、覆すのは困難だったからだとみられる。(共同)