Thursday, July 20, 2017 11:45 AM

日銀、物価2%達成先送り 延期6回「19年度ごろ」

 日銀は20日、金融政策決定会合を開き、物価上昇率2%目標の達成時期を「2018年度ごろ」から「19年度ごろ」に1年先送りした。家計の節約志向が根強く物価が伸び悩んでいるためで、延期は昨年11月に続き6回目。黒田東彦総裁は来年4月までの任期中の実現を断念した。物価の上昇傾向は維持されているとして追加金融緩和は見送り、短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度に抑える現行の緩和策を据え置いた。

 黒田氏は13年の就任時に、2%目標を2年程度で達成すると宣言していた。達成時期を繰り返し先送りする日銀への信頼は揺らぎ、現行の金融政策を疑問視する声が強まりそうだ。

 黒田氏は記者会見で、目標達成時期の延期について「何回も先送りになるのは残念」と述べた。想定より物価上昇が弱いのは、家計の節約志向に対応して企業が値上げに慎重な姿勢を崩せないためだと分析。企業が省力化投資を拡大させていることなども挙げ「見通しが外れたから(日銀への)信用がなくなることはない」と訴えた。(共同)