Friday, July 21, 2017 5:47 PM

鉄鋼、アルミ以外も調査 輸入抑制、広範囲で検討か

 トランプ大統領は21日、海外からの鉱工業製品の輸入が安全保障に及ぼす影響を幅広く調査し、是正策を含めて報告するよう指示する大統領令に署名する。輸入急増が安全保障上の脅威になっているとして輸入抑制を検討中の鉄鋼とアルミニウム以外に調査対象を広げる。輸入抑制が広範囲に及ぶ可能性が出てきた。

 大統領令は米国の軍需産業と労働者の保護が狙いだ。しかし外国製品の排除につながりかねない内容だけに、主要な貿易相手国から懸念の声が上がるのは必至。米国に多くの鉱工業製品を輸出している日本にも影響が及ぶ恐れがある。

 ホワイトハウスで貿易や産業政策を担当する通商製造政策局のトップ、ナバロ氏は記者会見で「海軍の潜水艦のスクリューを修理できる企業は国内に1社しかない」と懸念を表明。軍事用の半導体や軍用機に搭載される液晶モニターなどの多くを外国製に頼っているとし、安全保障の観点から、バランスの取れた貿易を実現し、国内調達を増やす必要があると強調した。(共同)