Thursday, July 27, 2017 11:29 AM

米「脱金融危機対応」急ぐ FRB議長人事が影響

 米連邦準備制度理事会(FRB)が懸案の保有資産縮小を9月にも始める見通しとなり、金融危機対応からの「完全脱却」を急ぐ姿勢を鮮明にした。FRBへの圧力もためらわないトランプ大統領が次期議長候補を指名する前に、縮小への確かな道筋をつけておきたいとの思惑が見え隠れする。

 FRBは26日の連邦公開市場委員会(FOMC)後に公表した声明に、縮小を「比較的早期に開始する」と明記した。イエレン議長が議会公聴会などで繰り返した「年内の比較的早い時期」がFRBの統一見解となり、市場では9月の次回FOMCで縮小開始が決まるとの観測が広がった。

 FRBは2008年のリーマン・ショックに対応するため米国債などを買い、世の中のお金の量を増やす量的緩和策を実施。保有資産はリーマン・ショック前の5倍の約4兆5000億ドル(約500兆円)に膨れ上がった。(共同)