Friday, July 28, 2017 11:51 AM

米税財政、秋にヤマ場 資金枯渇、政府閉鎖の恐れ

 トランプ政権と与党共和党の指導部が27日、対立していた「国境税」の導入を見送り、税制改革案の今秋の議会提出を目指すことで合意した。しかし、連邦政府の債務上限引き上げや、10月から始まる2018会計年度の予算審議が絡み、先行きは極めて不透明。資金枯渇や政府閉鎖の恐れもある。税財政の議論は秋にヤマ場を迎えそうだ。

 国境税は、米国から製品を輸出する企業の法人税を軽くする一方、輸入企業の負担を重くする仕組み。共和党が、米国で販売する製品を海外で生産する利点が薄れるので、工場を国内に戻す企業が増えるとして提案した。ただ、海外からの製品に頼る米国内の小売業などが猛反対し、政権側は導入に否定的だった。

 ムニューシン財務長官や共和党のライアン下院議長らは27日発表した共同声明で「国境税の棚上げを決めた」と宣言。政権と共和党の大きな対立点が解消し、サンダース大統領報道官は記者会見で「(税制改革への)大きな一歩」と強調した。(共同)