Friday, July 28, 2017 11:53 AM

パキスタン首相失職 パナマ文書で批判

 パキスタン最高裁は28日、タックスヘイブン(租税回避地)の実態を暴いた「パナマ文書」に家族の名前が載っていたことで野党の批判を浴びていたシャリフ首相について、下院議員の資格を剥奪するとの判断を示した。シャリフ氏は失職、最高裁の判断を受け入れて辞任した。

 与党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派が、新たな首相を選出する見込み。しかし過去にクーデターを繰り返し、強い影響力を持つ軍が今回の判断根拠となった報告書作成に関わっており、政治の混乱に乗じて軍が台頭する可能性がある。同国ではイスラム武装勢力や過激派組織「イスラム国」(IS)によるテロも発生しており、核保有国の政情の混迷が深まれば、国際社会の懸念が高まりそうだ。

 最高裁はパナマ文書に関する不正資金疑惑について、シャリフ氏が議会や最高裁に不誠実な説明をしたため、議員に不適格と判断した。汚職捜査機関に捜査も命じた。(共同)