Tuesday, August 08, 2017 10:52 AM

JDI、4000人弱削減 海外大半、能美工場休止へ

 経営難が続く中小型液晶パネル大手ジャパンディスプレイ(JDI)がグループ従業員の約3割に当たる4000人弱の人員削減を検討していることが8日、分かった。対象の大半が海外で、中国やフィリピンの工場を統廃合し3500人程度を減らす見込みだ。国内は250人程度の希望退職者の募集で対応する。9日に経営再建策として公表する。

 国内の生産再編は、石川県内にある3工場の見直しが柱となる。スマートフォン向け液晶パネルを手掛ける能美工場(能美市)は年内をめどに休止し、従業員は最先端設備がある近隣の白山工場(白山市)に配置転換する。石川工場(川北町)も受け入れる可能性がある。生産拠点の整理などに伴って1500億円程度の損失が発生し、2018年3月期の純損益は4年連続の赤字が避けられない情勢となった。そのため、財務体質の抜本改善へ外部資本の導入も検討する。

 関係者によると、JDIは財務アドバイザーの金融機関などを通じて、台湾の鴻海精密工業のほか、中国のパネルメーカー、天馬微電子や京東方科技集団(BOE)などに出資を打診。複数の事業会社が意欲を示せば入札となりそうだ。実質的な傘下入りに発展する可能性もある。今秋にも資本提携先を選定し、手続きを18年3月期中に完了させる見込みだ。(共同)