Wednesday, August 09, 2017 10:36 AM

JDI従業員の3割削減 工場停止1700億円損失

 日立製作所、東芝、ソニーの事業を統合した中小型液晶パネル大手ジャパンディスプレイ(JDI)は9日、経営再建策を発表した。グループ従業員の3割弱に当たる3700人超の人員削減や能美工場(石川県能美市)の生産停止が柱だ。財務立て直しの資金を得るため、来年春をめどに外部企業と資本提携する。政府主導で2012年4月に発足した「国策会社」だが、経営の限界が露呈した。

 昨年11月に公表した人員適正化の計画が達成されず、市況の悪化もあり経営難が続いていた。今回のリストラ関連費用として1700億円程度の特別損失を計上する。18年3月期の連結純損益予想は開示していないが、4年連続の赤字が確実となった。

 東入来信博会長は東京都内で記者会見し「負のスパイラルからの脱却を図る」と強調した。自身と有賀修二社長の報酬を今月から18年3月まで20%減額して経営責任を明確化する。資本提携先に関しては「特に制約があるとは考えていない」と述べた。財務アドバイザーなどを通じて台湾の鴻海精密工業や中国のパネルメーカー天馬微電子に打診している。(共同)