Thursday, August 10, 2017 11:34 AM

東芝1カ月遅れで決算報告 上場廃止ひとまず回避

 経営再建中の東芝は10日、2017年3月期決算の有価証券報告書を関東財務局に提出した。PwCあらた監査法人から「限定付き適正意見」を得られたため法定期限から1カ月以上遅れて提出、上場廃止の危機をひとまず回避した。綱川智社長は東京都内で記者会見し、半導体子会社の年度内売却に「最善を尽くす」と強調。「日米韓連合」以外に、ウエスタン・デジタル(WD)や台湾の鴻海精密工業の陣営とも交渉していると公式に認めた。

 PwCあらたは、17年3月期に計上した米原発事業の巨額損失の「相当程度ないしは全ての金額を16年3月期に計上すべきだった」と指摘したが、決算全体に与える影響は限定的と判断し一定の「お墨付き」を与えた。綱川氏は「決算は正常化した。経営課題の一つを解決した」と述べた。

 ただ巨額損失で東芝の17年3月期の純損益は国内製造業で過去最悪の9656億円の赤字となり、5529億円の債務超過に陥った。18年3月末までに解消しなければ東京証券取引所市場第2部の上場が自動的に廃止となるため、東芝メモリ(東京)の売却益で埋め合わせる考えだ。(共同)