Thursday, August 10, 2017 11:36 AM

稲田氏関与、未解明で幕 防衛相、再調査を拒否

 南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報隠蔽問題を巡る衆院安全保障委員会と参院外交防衛委員会の閉会中審査が10日、開かれた。稲田朋美元防衛相が日報データ保管の報告を受け、非公表方針を了承したかの解明が焦点だったが、与党の反対で稲田氏は参考人招致されず、解明は進まなかった。小野寺五典防衛相は再調査も拒否。野党は「大臣が代わっても隠蔽体質は変わらない」と批判し安倍晋三首相や稲田氏招致を求めたが、実現可能性は低く、稲田氏の関与は未解明のまま幕を閉じる見通しとなった。

 小野寺氏は、稲田氏らの辞任直後に北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことを指摘され「大変厳しく反省すべきものだ。安全保障環境が厳しい中、国民に申し訳ない」と陳謝。一方で稲田氏に日報データ保管を報告した際のやりとりが記されたとされるメモや、陸上自衛隊がまとめた内部調査結果の公開を野党に求められたが、拒んだ。

 7月28日公表の防衛監察本部による特別防衛監察結果は2月13、15日に当時統合幕僚監部の総括官だった辰己昌良審議官ら防衛省、陸自幹部から稲田氏に日報に関する説明があったと指摘。その際のやりとりの中で「日報データの存在について何らかの発言があった可能性は否定できない」とした上で、稲田氏がデータの存在を公表するかどうか決定、了承した事実はないと認定した。(共同)