Friday, August 11, 2017 10:41 AM

関税ゼロのルール焦点 自動車メーカーに衝撃も

 トランプ政権の通商戦略の試金石となる北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉が16日に始まる。焦点は、米国、カナダ、メキシコの域内で生産された部品をどの程度使えば完成品の関税をゼロにするかを定めた「原産地規則」の見直し。米国は貿易赤字の削減を狙い、ルールの厳格化を求める方針で、カナダ、メキシコが容認すれば、現地で生産する日本などの自動車メーカーに衝撃を与えそうだ。

 「素晴らしい取引にならないなら、NAFTAを終わらせる」。トランプ大統領は7月25日の演説で、国内の製造業衰退と雇用減を招く貿易赤字の削減に向け、離脱も視野に不退転の決意で再交渉に臨む決意を示した。

 1994年1月のNAFTA発効以降、米国はメキシコとのモノの貿易で巨額の赤字を出すようになり、2016年の赤字額は約700億ドル(約7兆6000億円)に上った。日本や米国の自動車メーカーなどが、関税がゼロになるNAFTAの利点を活用し、米国に輸出する製品の生産拠点を人件費の安いメキシコに置くようになったためだ。(共同)