Friday, August 25, 2017 11:15 AM

加計獣医学部の判断保留 教育環境不備か、設置審

 政府の国家戦略特区制度を活用した学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設を認めるかどうか審査していた文部科学省の大学設置・学校法人審議会は25日、判断を保留し、審査を継続することを正式に決めた。関係者によると、現時点では学生の教育環境が整っていないと判断したとみられる。認可を得るには計画の見直しが必要となり、今月末とみられていた林芳正文科相への答申は10月以降にずれ込む見通しだ。

 愛媛県今治市に岡山理科大の獣医学部を新設する計画を巡っては「総理の意向」などと記載された記録文書が見つかり、選定の過程で官邸の関与が取り沙汰されてきたが、設置審が判断を保留したことで、大学設置基準に照らしても計画内容に疑義が生じる事態となった。「加計ありき」と批判する野党が政府への反発を強めるのは必至で、9月下旬にも召集される臨時国会の審議や、10月の衆院補選の情勢に影響する可能性もある。

 文科省は「審査が続いており、保留となった理由を説明できる段階ではない」としている。施設整備の遅れや教員の不足、書類上の不備などで保留となることが一般的という。加計学園は「審議継続中であり、コメントは差し控える。認可に向けて粛々と事に当たる」との談話を発表した。(共同)