Tuesday, August 29, 2017 11:32 AM

グアムへの発射能力誇示

 韓国軍出身の金東葉・慶南大教授の話 北朝鮮の今回の発射は、検討を公言していた米領グアム沖30〜40キロの海上に弾道ミサイルを撃ち込む計画について、実際にやる意思も能力もあることを国際社会に見せつけることが狙いだろう。グアムに発射するには日本の上空を越えなければならず、反発も予想される中で果たして北朝鮮がそこまでできるのかという疑問があったからだ。

 今回発射されたミサイルは新型中距離弾道ミサイル「火星12」の可能性が高いが、飛行距離は約2700キロで、北朝鮮が主張する(グアムまでの飛行距離)3356・7キロには届かなかった。正確にグアム沖30〜40キロに落とせることを誇示するため、9月9日の建国記念日までに再び発射に踏み切る可能性はある。

 ただ、今後北朝鮮がグアムへの発射を実行しなかったとしても、今回の発射で既に米国に対するカードになったと言える。米韓は北朝鮮の挑発のたびにグアムからB1戦略爆撃機を出撃させてけん制しているが、グアムへの脅威が現実となった今、米国は出撃させるべきか悩まざるを得なくなった。今回の発射は、米国ではなく北朝鮮が主導権を握りたいという意思表示でもあった。(共同)