Tuesday, September 05, 2017 11:05 AM

北朝鮮制裁、石油禁輸焦点 安保理、11日決議採択も

 北朝鮮による6回目の核実験を受け、国連安全保障理事会は4日、緊急会合を開いた。米国のヘイリー国連大使は「最強の措置」を取るよう呼び掛け、11日に新たな制裁決議案の採択を目指す方針を表明。水面下の協議が始まった。日米が求める石油禁輸が最大の焦点だが、中国とロシアは厳しい制裁に消極的で、攻防の行方は見通せない。ロシアのプーチン大統領は5日、追加制裁は「無益で効果がない」と否定的見解を示した。

 米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は4日、米国が安保理メンバー国に近く提示する決議案には、北朝鮮への石油の輸出規制が盛り込まれる見通しだと伝えた。石油の禁輸は核・ミサイル開発に打撃を与える一方で、北朝鮮の市民生活に大きな影響を与え、金正恩体制の動揺を招きかねない。朝鮮半島の混乱を避けたい中国は、簡単に受け入れられない。

 このため昨年から今年にかけ、北朝鮮の主産品である石炭の輸出規制が徐々に厳しくなったように、石油も全面禁輸ではなく段階的な規制が話し合われている可能性がある。北朝鮮の繊維製品の輸出制限や、出稼ぎ労働者の派遣制限なども新たな制裁対象に検討されているとみられる。(共同)