Monday, September 11, 2017 11:09 AM

陸上桐生が9秒98 日本人初、10秒の壁突破

 陸上男子の桐生祥秀(21)=東洋大=が9日、福井県営陸上競技場で行われた日本学生対校選手権の100メートル決勝で9秒98の日本新記録を樹立し、日本人で初めて「10秒の壁」を破った。序盤こそリードを許したが、追い風1.8メートルの好条件下で得意の中盤で加速して逆転した。五輪の花形種目で、日本勢の長年の夢だった領域についに足を踏み入れた。

 100分の1秒まで表示する現行の電気計時では1968年にジム・ハインズ(米国)が9秒95で走り、世界で初めて10秒を切った。日本人は49年遅れで悲願の9秒台突入となった。国際陸上競技連盟によると桐生は9秒台をマークした126人目のスプリンターとなる。

 日本勢は伊東浩司が98年アジア大会で日本記録を10秒00に更新したが、その後は足踏みが続いた。桐生は京都・洛南高3年だった2013年に10秒01。一昨年には追い風参考で9秒87をマークしたが、公認記録での9秒台には届いていなかった。桐生は歴史的な快挙に人さし指を突き上げて何度も跳びはね「やっと4年間くすぶっていた自己ベストを更新できた」と喜んだ。(共同)