Tuesday, September 12, 2017 1:19 PM

北朝鮮に全会一致決議 石油初規制、30%削減

 国連安全保障理事会は11日、6回目の核実験を強行した北朝鮮に関する公開会合を開き、石油精製品の供給や原油輸出に上限を設けることを柱とする米国主導の制裁強化決議案を全会一致で採択した。制裁に慎重な中国とロシアも賛成した。日米が目指した石油の全面禁輸からは後退したが、安保理決議として石油の規制に初めて踏み込み、30%の削減を見込む。主要産品の繊維製品の輸出も禁じた。原案にあった金正恩朝鮮労働党委員長の制裁対象指定は見送られた。

 3日の核実験から1週間余りでの異例の迅速採択で、国際社会が一致して圧力を強化する姿勢を示した。核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射などの挑発行為で対抗する構えの北朝鮮に対し、米国は一層の制裁強化を警告し、石油の全面的な禁輸を視野に置く。

 米国のヘイリー国連大使は安保理で、最強の決議だと強調し、核・ミサイル開発計画の継続には圧力強化で対応する考えを示した。一方、米国は北朝鮮との戦争を求めておらず、「北朝鮮が後戻りできない地点まで至ったわけではない」とも述べた。決議採択によって原油と石油精製品を合わせた供給量が約30%減少し、北朝鮮からの輸出の90%以上が禁止対象になったとの見方を示した。(共同)