Tuesday, September 19, 2017 11:31 AM

ロヒンギャで平和解決強調 スー・チー氏、首都で演説

 ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相は19日、首都ネピドーで演説し、イスラム教徒少数民族ロヒンギャ迫害問題の平和的な手段での解決を目指すと表明した。国際社会で「民族浄化」との批判も出る中「全ての人権侵害を非難する。国際的な調査を恐れない」と述べ、人権侵害行為に厳しく対処する方針を示し、国連などの調査受け入れを示唆した。

 40万人超とされるロヒンギャが隣国バングラデシュに逃れ、自身が率いる政権が発足した昨年3月以降、スー・チー氏は最大の難局に直面している。しかし演説では、自国民族と認めていないロヒンギャへの市民権付与に向けた具体案など抜本的な対策には踏み込まなかった。治安機関による迫害を否定し、国際社会をけん制する発言もあり、理解は得られそうにない。

 スー・チー氏は、帰還を希望する難民に対する身元確認の手続きを始めると表明。アナン元国連事務総長を委員長とする諮問委員会が、宗教対立の緩和やロヒンギャの権利拡大を求めた勧告を実行する考えを示した。(共同)