Thursday, September 21, 2017 10:48 AM

日銀、大規模緩和を維持 財政健全化へ政府に期待

 日銀は21日、金融政策決定会合を開き、現状の大規模な金融緩和策の維持を決めた。デフレ脱却を明確にするための物価上昇率2%の実現が遠く、緩和策を粘り強く続ける必要があると判断した。短期金利をマイナス0・1%とし、長期金利を0%程度に抑えて景気を下支えする。国内景気の現状判断も据え置いた。新任の片岡剛士審議委員は現行政策が不十分だとして、緩和策維持に反対し、全員一致にならなかった。

 黒田東彦総裁は会合後の記者会見で、金融市場に影響する政府の財政健全化の取り組みに期待感を示した。導入から1年たった現行政策の枠組みに関しては、物価上昇が想定より遅れていることを認めた。ただ景気は改善しているとして、政策の有効性を評価した。

 日銀の大規模緩和が長期化する一方、米連邦準備制度理事会(FRB)が保有資産の縮小を決めるなど米欧は正常化に向かっている。緩和策からの脱却が見通せない日銀との方向性の違いが一層際立ってきた。(共同)