Thursday, September 21, 2017 10:49 AM

FRB10月から資産縮小 金融正常化、12月利上げも

 米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は20日、市場に大量のお金を流し込む量的緩和で膨らんだ保有資産の縮小を10月から始めることを決めた。景気拡大を踏まえ、2008年に起きた世界的な金融危機リーマン・ショック後に打ち出した対応策から完全に脱却、金融政策は正常化に向かう。物価が上昇力を欠き追加利上げは見送ったが、12月実施を模索する方針を維持した。

 イエレンFRB議長は記者会見で「経済は好調で、資産規模の維持による景気刺激策はもはや必要ない」と説明した。15年12月のゼロ金利解除と利上げに続く資産縮小は、金融政策を平時の状態に戻す「出口戦略」の総仕上げとなる。欧州も追随する構えだが、日銀は21日、大規模緩和策の維持を決定した。物価低迷に悩む日本は「周回遅れ」の様相だ。

 黒田東彦総裁は記者会見で「物価が目標から遠いところにあるので(米欧と)緩和状況が異なるのは自然であり、問題もない」と強調した。(共同)