Monday, August 01, 2016 10:24 AM
「憲法読んだか」で大波紋 イスラム系戦死米兵遺族
「憲法を読んだことがあるか。なければ私の一冊をお貸ししよう」。民主党大会閉幕の7月28日、右手にポケット版の米国憲法を掲げ、共和党の大統領候補トランプ氏を真っ向から批判した無名の男性が、選挙戦に大きな波紋を広げている。
バージニア州の60代の法律家キズル・カーンさん。2004年6月に陸軍大尉だった次男(27)=当時=をイラクで亡くした。パキスタンから1980年に移住後、米国籍を取得。移民やイスラム教徒などに差別的なトランプ氏は自由と平等など米国の基本的な価値観を理解しておらず、息子を亡くした自分と異なり国のために「何一つ犠牲を払っていない」と非難した。
トランプ氏は7月30日のABCテレビで「懸命に働き、何千人もの雇用を生んだ」と反論。それが国にささげた犠牲かと問われると「犠牲だと思う」と述べた。さらに、カーンさんの妻ガザラさんが党大会の場で何も語らなかったことに、女性が抑圧されているとの印象が強いイスラム社会を念頭に「しゃべるなと言われていたのではないか」と疑問を提示。これがソーシャルメディアなどで広まり、戦死者の遺族に対する侮辱と受け止められた。(共同)
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