Friday, September 29, 2017 12:48 PM

依存症疑い推計320万人 ギャンブル調査、生涯で

 政府は29日、ギャンブル依存症の実態把握に向けた2017年度の面接調査について、有効回答は4685人で、これまでの生涯で依存症経験が疑われる人は推計3.6%との中間まとめを発表した。国勢調査のデータから計算すると約320万人に上る。最近1年間に依存症状態だったと疑われるのは推計0.8%で計算上は約70万人。大半が「パチンコ・パチスロ」に最も金を投入、ギャンブルへの賭け金は平均月5.8万円だった。

 統合型リゾート施設(IR)整備推進法施行によるカジノ解禁に向け、ギャンブル依存症への対応は重要課題だ。自民、公明両党は、国や地方自治体に医療や相談体制など具体的な推進計画策定を義務付ける対策法案を6月に衆院に提出。衆院解散で廃案となっており、対応が急がれる。

 調査担当者は、調査方法にばらつきがあり比較は難しいとした上で、米国や韓国など11カ国と香港のデータを紹介。生涯での依存症疑いはオーストラリア(男性)が2.4%、フランス1.2%、イタリア0.4%、ドイツ0.2%とし、パチンコなどを念頭に「日本の場合、身近なところでギャンブルができる環境が影響している可能性はある」と述べた。(共同)