Tuesday, October 03, 2017 11:19 AM

家計の借金増に警戒を IMF「危機招く恐れ」

 国際通貨基金(IMF)は3日、世界金融安定報告の分析編を公表し、家計の借金増が金融危機を招く恐れがあるとして、各国当局に警戒を呼び掛けた。国内総生産(GDP)に対する家計の借金の比率は、先進国が2008年の平均52%から16年には63%に、新興国が08年の平均15%から16年には21%にそれぞれ上昇したとの統計も示した。

 家計の借金は、短期的には経済成長や失業率低下と連動するが「(数年で良い影響はなくなり)中期的には金融危機の恐れを増大させる」と強調。借金のGDPに対する比率が30%になると経済への悪影響が生じ得るとの分析を示した。

 世界的な金融危機につながった08年のリーマン・ショック後の借金増は、日米欧の中央銀行が世の中のお金を増やす量的緩和策を実施したことが一因と説明。各国の中央銀行も「物価が低迷し、賃金の伸びが鈍い中での借金増はリスクだ」と警告していると訴えた。(共同)