Thursday, October 05, 2017 12:02 PM

イシグロ氏ノーベル文学賞 長崎生まれの英国人作家

 スウェーデン・アカデミーは5日、2017年のノーベル文学賞を、長崎市生まれの英国人小説家カズオ・イシグロ氏(62)に授与すると発表した。代表作「日の名残り」や「わたしを離さないで」などで知られる。日本出身の作家としては1968年の川端康成、94年の大江健三郎氏に次ぎ3人目、23年ぶりの受賞となる。同アカデミーは授賞理由について「偉大な感性を持った小説によって、世界とつながっているという幻想に潜んだ深淵を明らかにした」とした。

 ロンドン在住のイシグロ氏は5日、英BBC放送の取材に「偉大な作家たちの歩みに加わることができ、最高の名誉だ」と述べた。

 54年、日本人の両親の間に生まれた。海洋学者だった父の仕事の関係により5歳で渡英、80年代に英国籍を取得した。英語で執筆し、人間の意思疎通の難しさや記憶の不確かさをテーマとした一連の作品は情景描写の巧みさなどで高い評価を受けている。(共同)