Wednesday, October 11, 2017 11:01 AM

鉄粉、液晶画面材でも不正 新幹線でJIS規格未達

 神戸製鋼所は11日、アルミ・銅製品に加え、新たに鉄粉製品と子会社のコベルコ科研(神戸市)が手掛けている液晶画面材料でも検査データを書き換えていたと発表した。JR東海の新幹線に使われているアルミ製品が日本工業規格(JIS)の強度に達していなかったことも判明した。経済産業省から一連の改ざんの詳しい調査を求められており、川崎博也会長兼社長が12日午前に経産省を訪れ、多田明弘製造産業局長に経緯を報告する。

 不正はグループ内にまん延している可能性がある。鉄粉製品などの問題は今月8日の記者会見で伏せていた。取引先の信用低下は必至で、業績への打撃は避けられない。事業環境が厳しくなる場合にも備え、子会社の神鋼不動産(神戸市)の株式を売却し、財務体質を強化する。

 問題の鉄粉製品は1社に供給した。取引先と決めた密度に関する仕様を実際の製品が上回ったため、つじつまを合わせていた。鉄粉は自動車や機械に広く使われるが、改ざんのあった製品の用途を明らかにしていない。(共同)