Wednesday, October 11, 2017 11:02 AM

東芝の注意銘柄指定を解除 東証、上場維持へ一歩前進

 東京証券取引所は11日、東芝の株式に関し、上場廃止に次ぐ重い処分の「特設注意市場銘柄」の指定を12日付で解除すると発表した。不正会計問題を受け2015年9月に指定されたが、内部管理体制に相応の改善が見られると判断した。上場維持に向け一歩前進したが、半導体子会社の売却を来年3月末までに完了し、債務超過を解消しなければ上場廃止となる。

 東証と同じ日本取引所グループ(JPX)傘下の自主規制法人が、東芝の上場維持が適切か、関係者への聞き取りを実施し、審査していた。自主規制法人の佐藤隆文理事長は記者会見で、東芝の内部管理体制は「最低水準を満たしているにすぎない」と注文を付けた。

 東芝は17年3月期決算の有価証券報告書の提出が法定期限から大幅に遅れたほか、監査法人のPwCあらたは、米原発事業の巨額損失を招いた内部管理体制に「不適正」意見を出しており、今回の審査が甘いとの批判も出そうだ。(共同)