Tuesday, October 17, 2017 10:43 AM

首脳会談へ米FTA圧力 経済対話で溝あらわ

 日米両政府はワシントンで16日(日本時間17日)、経済対話の第2回会合を開き、米側が自由貿易協定(FTA)の交渉入りを求めて圧力を強めた。日本との溝があらわになり、トランプ大統領が11月の首脳会談で再び持ち出す展開も予想される。日本は反対姿勢を貫けるのか正念場を迎える。米国が問題視する自動車の非関税障壁は日本が一部緩和し配慮を見せたが、牛肉の緊急輸入制限(セーフガード)では双方譲らず、対立の構図を持ち越した。

 対話の冒頭、トップを務める麻生太郎副総理兼財務相とペンス副大統領は北朝鮮問題での連携強化を確認し、友好ムードを演出した。だが続けてペンス氏は「FTAへの強い関心」(日本政府筋)を伝え、米側出席者からは対日貿易赤字への懸念表明が相次いだ。

 麻生氏は米国が離脱した環太平洋連携協定(TPP)の重要性を説き、矛先をかわそうと試みたもようだが、首脳会談に向けた地ならしとしてFTA論議を抑え込もうとした思惑は外れた。(共同)