Wednesday, August 03, 2016 9:52 AM

フォルシアの事業売却を承認〜EU、条件付きで

 EU(欧州連合)の行政執行機関である欧州委員会(EC)は、仏フォルシア(Faurecia)が計画する仏ラスチック・オムニウム(Plastic Omnium=PLOF)へのバンパーなど自動車外装品事業の売却を条件付きで認めた。フォルシアが発表した。

 売却は、PLOFがフランス国内のバンパー事業すべてとスペインのバンパー工場1カ所、ドイツのフロントエンド・モジュール事業を手放すことが条件。これらの年間事業収入は、7億9200万ドルになる。

 15年12月、自動車外装品事業のほとんどをPLOFに7億3000万ドルで売却する覚書を両社が交わした。同事業は世界22カ所の工場と6カ所の調査研究(R&D)およびデザイン研究(D&D)拠点からなり、従業員は7700人。事業売上高は14年実績で24億ドル。

 フォルシアは売却の利益を負債の返済に充てる。ECが出したPLOFの事業に関する条件は、売却計画とその金額には影響しないという。

 一方のPLOFは、新しく獲得する事業の収入の3分の1に当たる自社事業を手放すことになっても、将来の成長と市場の重要分野での地位固め、顧客ベースの拡大には計画の続行が非常に重要と判断した。同社は新事業から売却事業を差し引いた収入増を13億ドルと推定しており、特に拠点がなかったドイツのバンパー事業に期待している。

 PLOFは自動車外装品事業の世界大手になり、事業獲得によって当面の営業利益が5520万ドル増加し、19年以降は相乗効果でさらに7730万ドル増えると見込んでいる。