Wednesday, October 25, 2017 10:35 AM

太宰「斜陽」原稿4枚発見 漱石の自画像など約30点

 新潮社は25日、所在不明となっていた作家太宰治の小説「斜陽」の直筆原稿4枚や、文豪夏目漱石の自画像入りの絵はがきなど資料約30点が、同社の佐藤俊夫元会長の遺品から見つかったと発表した。近代文学を彩った作家たちの創作過程や横顔を示す貴重な資料。

 「斜陽」は文芸誌「新潮」に1947年7月号から10月号に計4回にわたり掲載された。見つかったのは第3回と第4回の冒頭2枚ずつ。調査に当たった早稲田大の中島国彦名誉教授は「直しがあまりなく、スッとほとばしり出るように書かれた力強い文字から、太宰の『斜陽』への強い思いが伝わる」としている。

 「斜陽」の原稿は、日本近代文学館(東京都目黒区)が計521枚を所蔵しているが、6枚が欠けていた。このうち4枚が今回見つかった。(共同)