Tuesday, October 31, 2017 11:29 AM

慰安婦問題「解決済み」 国連委に政府、検証も困難

 旧日本軍の従軍慰安婦問題を巡り、日本に適切な補償などの包括的解決を求めた国連人種差別撤廃委員会の勧告に対し、日本政府が昨年12月に「補償に関してはサンフランシスコ平和条約などにより解決済み」と回答していたことが31日、分かった。委員会が回答を公表した。

 委員会は責任者を裁判にかけるようにも勧告したが、日本政府は「今からの具体的な検証は極めて困難」で、責任者追及も考えていないと指摘。一方で、慰安婦問題の解決に関する2015年の日韓合意に言及し「高齢の元慰安婦のためにも日韓両政府で協力し合意を実施していく」と強調した。

 慰安婦問題は11月の国連人権理事会の対日人権審査でも取り上げられる見通し。しかし日本政府は「従来の姿勢を大きく変えることはない」(外交筋)とみられ、仮に勧告が出ても応じる可能性は低そうだ。(共同)