Tuesday, October 31, 2017 11:34 AM

今世紀末、3度上昇の恐れ 温暖化、削減目標達成でも

 世界各国が掲げる温室効果ガスの排出削減目標を達成しても、地球温暖化が進んで今世紀末の気温上昇が3度に達し、深刻な被害が生じる恐れがあると警告した報告書を国連環境計画が31日、公表した。政府に加え、企業や自治体の早急な対策強化の必要性を強調し、排出量が多い石炭火力発電を推進する国として日本も名指ししている。

 2020年から始まる「パリ協定」では、台風の強大化、干ばつ、生態系の破壊といった温暖化の悪影響を避けるため、産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑えることを目指す。各国は自ら削減目標を設定し、国連に提出している。

 報告書は、このままでは今世紀末に気温が3度上昇すると予測。2030年時点で、各国の削減目標に加え、日本の年間排出量の10倍程度を追加で減らさなければ、2度未満に抑えることは極めて難しいと分析した。米国がトランプ大統領の予告通り20年にパリ協定を離脱すると、見通しはさらに暗くなる。(共同)