Friday, November 03, 2017 10:56 AM

偏見防止の教育、4割未満 医療養成機関に実施要請

 集団予防接種の注射器使い回しによるB型肝炎感染被害を巡り、看護師など医療従事者の養成課程で、患者らへの偏見や差別を防ぐための講義を実施している教育機関が4割に満たないことが3日、厚生労働省研究班の調査で分かった。厚労省は教育の推進を求める通知を47都道府県に出した。

 B型肝炎は日常生活ではほとんど感染せず、適切な対応を取れば防げるが、依然として医療機関で診療の順番を後回しにされるなど不当な扱いを受ける患者らもおり、医療従事者への教育徹底が急務だ。

 研究班は2016年度、看護師の養成所など看護師、准看護師、臨床検査技師、歯科衛生士の4職種を教育する都道府県指定の約1100校を調査。約6割から回答があったうち、偏見防止の講義を実施したのは36・5%で、患者や家族の話を直接聞く機会を設けたのは9校だけだった。(共同)