Tuesday, November 07, 2017 10:28 AM

トヨタ、通期増益に転換へ 2兆円確保、世界景気拡大

 トヨタ自動車は7日、2018年3月期連結業績予想で、本業のもうけを示す営業利益を前期比0.3%増の2兆円に上方修正すると発表した。2年連続の減益としていた従来の予想から一転して増益となる。為替相場が想定よりも円安水準で推移しており、輸出の採算が一段と改善する。不振が続く主力の米国では販売促進の値引き費用がかさんで利益を圧迫しているため、顧客の好みに応じた車種を投入して底上げを目指す。

 世界的な景気拡大を背景に企業業績が上向いて株価全体が上昇し、経済の好循環が鮮明になってきた。ただ北朝鮮情勢の悪化などで安全資産とされる円が買われ円高へ転じれば、円安頼みの輸出企業の利益が吹き飛ぶ恐れがある。

 永田理副社長は記者会見で、増益予想の理由として「営業努力」も挙げた。日本や欧州で新型車の販売が好調と説明しながらも「実力としては減益だ」と語った。従来の営業利益見通しは7.2%減の1兆8500億円だった。(共同)