Thursday, November 09, 2017 2:34 PM

味の素、MA州の医療食品会社を買収

 味の素(東京都)は9日までに、マサチューセッツ州のメディカルフード(医療食品)会社キャンブルック・セラピューティックス(Cambrooke Therapeutics)を6400万ドル(約72億円)で買収し、完全子会社化した。

 同社のプレスリリースによると、キャンブルックはアミノ酸代謝異常患者向けの医療食品、難治性てんかん患者向け医療食品、腎臓・肝臓疾患患者向け低たんぱく質食品などを開発・製造する。独自の素材を使い、他社の製品に比べておいしくかつ消化に優れた製品を開発し、過去3年は年率20%を超える高成長を遂げているという。

 味の素はキャンブルック買収によって、メディカルフード市場に参入する。メディカルフードは食品医薬品局(FDA)が医薬品と栄養補助食品の中間に位置付ける食品で、米市場は2016年の売上高が17億5000万ドルと世界最大。年間成長率は平均約10%と堅調に推移している。

 メディカルフードの中でも、特定の栄養素を体内で代謝することができない代謝異常患者向けの市場は約4割(6億6000万ドル)を占め、17年は味の素の推計で前年比10%増となる見込み。

 代謝異常患者は通常の食事を取れず、特定の医療食品のみを毎日摂取するが、そのおいしさや種類の少なさが大きな課題となっている。