Friday, November 10, 2017 11:38 AM

「被爆者の声は警告」 ローマ法王、核廃絶訴え

 核保有国や国連幹部、歴代ノーベル平和賞受賞者らが「核なき世界」への道筋を議論し、展望を示す国際シンポジウムが10日、バチカンで始まった。ローマ法王庁の主催で、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)事務局次長の被爆者、和田征子さん(74)ら参加者は法王フランシスコに謁見。法王は「広島や長崎の被爆者らの声が、次世代への警告となるように」と核廃絶を訴えた。

 国連で7月、核兵器を違法化する史上初の核兵器禁止条約が122の国と地域の賛同で採択されたが、核保有国は反対の立場を崩していない。米国の「核の傘」に入る日本も参加を見送った。北朝鮮の核の脅威が高まる中、法王庁は核の惨禍を避けるため、国際社会の協調を促したい考えだ。

 法王は謁見で「核兵器は見せかけの安全保障を生み出すだけだ」と批判し、核保有国に廃絶に向けた取り組みを促した。(共同)