Friday, November 10, 2017 11:38 AM

中東覇権争い、緊張激化 サウジとイラン、火種にも

 昨年1月に断交したイスラム教スンニ派の盟主サウジアラビアと、シーア派大国イランが中東の覇権を争い、緊張が激化している。直接のきっかけはイエメンのシーア派系武装組織によるサウジへの弾道ミサイル発射。シリアなどで共通の敵、過激派組織「イスラム国」(IS)掃討が収束に向かう中、新たな衝突の火種となる懸念が高まっている。

 イエメンはサウジが支えるハディ暫定政権と、イランが支援するシーア派系武装組織「フーシ派」の戦闘で内戦状態が続く。フーシ派は4日、サウジの軍事介入への報復として同国の首都リヤドに向け弾道ミサイルを発射、サウジが迎撃した。

 サウジのムハンマド皇太子は、イランがミサイルを供給したと主張し「戦争行為とみている」と激しく非難。イランを敵視し、イランとの核合意の実効性を認めないトランプ米大統領も「イランの仕業だ」と強調した。(共同)