Friday, November 10, 2017 4:47 PM

羽田新ルート、不安強まる 相次ぐ部品落下、住民と溝

 2020年東京五輪・パラリンピックに向け、羽田空港の発着枠を増やそうと、国土交通省は東京都心上空を航空機が通過する新ルートを計画中だ。騒音をはじめとする生活への影響について、2年以上前から住民説明会を重ねてきたが、9月に大阪市などで航空機からの部品落下が相次ぎ、安全面への不安は強まるばかり。新ルートに反対してきた住民との溝は埋まりそうにない。

 「こんなに大勢とは」。10月9日、東京・大井町で開かれた新ルート反対を訴える集会。主催者側の予想を超す約340人が集まり、急きょ座席を増やした。参加した東京都品川区の横田良篤さん(73)は「世論が大きく変わっている。会派を問わず、問題視する区議も出てきた」と話す。

 新ルートが具体的に浮上したのは14年。国交省は、五輪までに羽田の発着回数を最大で現在よりも9%増やす計画を公表した。騒音問題から避けてきた都心上空ルートを、増便に伴い国際線が混雑する時間帯に使う。(共同)