Wednesday, November 29, 2017 10:13 AM

対米戦略、新段階に 北朝鮮、核で生き残り模索

 北朝鮮が隠蔽と合意破棄を繰り返し、孤立しながらも核・ミサイル開発を続けてきたのは、核保有国の地位を得た上で米国と交渉し、平和協定を締結することが生き残る道と判断したためだ。29日の「国家核戦力完成」宣言は米と対等の立場を手にしたとの主張に等しく、挑発に傾斜していた北朝鮮の国家戦略が新たな段階に入る可能性がある。

 だがトランプ政権が、北朝鮮の威嚇を受けた末に対話に応じることは困難で、朝鮮半島情勢が直ちに好転する展望は依然開けない。米朝対話が現実になる前に偶発的な衝突が起きるリスクも残る。

 北朝鮮は1950年代に核開発に着手し、90年代に入って大きな国際問題となった。(1)92年発効の南北非核化共同宣言(2)94年の米朝枠組み合意(3)2005年の6カ国協議共同声明ーで核放棄を繰り返し約束したが、いずれもほごに。疑惑が指摘されても検証を拒み、証拠を示されれば平和目的と主張。兵器化に向け一定の技術を獲得した後は、自衛のための正当な権利だと態度を変えた。(共同)