Friday, August 05, 2016 11:11 AM
価値揺らぐスポーツの祭典 信頼回復、日本も模索
華やかなスポーツの祭典は今、根底から価値が揺らいでいる。ロシアのドーピング問題はルールに従うという勝負の前提を覆した。開催費用の膨張は五輪招致からの相次ぐ撤退を招いた。南米初開催となるリオデジャネイロ五輪は、五輪が危機にひんする中での大会だ。東京で2020年五輪を開く日本にとっても、傷ついた信頼の回復のために新たな価値を探す機会となる。
開幕直前に世界反ドーピング機関(WADA)調査チームが公表した報告書は、ロシアの国主導の薬物スキャンダルを認定し、かつてない混乱をもたらした。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は「われわれが持つ価値そのものに対する攻撃だ」と憤りをあらわにした。
ロシア選手の五輪からの全面除外を巡っては、議論が二分した。WADA初代委員長のパウンドIOC委員は「五輪がこれほど苦難を味わうのは冷戦下のボイコットに翻弄された1980年代以来」と指摘した。(共同)
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